展覧会

響きあう絵画 宮城県美術館コレクション カンディンスキー、高橋由一から具体まで

2025.2.8(土)‐2025.5.11(日)

響きあう絵画 宮城県美術館コレクション カンディンスキー、高橋由一から具体まで

日本の近現代美術、ドイツ近代美術、そしてエッセイ「気まぐれ美術館」で知られるコレクター洲之内徹が最後まで手放さなかった「洲之内コレクション」など、7,000点に及ぶ国内有数の優れたコレクションで知られる宮城県美術館。同館のリニューアル工事に伴う休館を機に実現することとなった本展では、特色ある作品群の中からハイライトとなる74点の作品を紹介します。

「響きあう絵画」というタイトルは、宮城県美術館コレクションの顔の一人である画家、ヴァシリー・カンディンスキーが芸術の本質と考えた「内なる響き」からとっています。色や形が持つ「響き」が連なって一つの絵画を作り上げるように、個性豊かな作品群が、遠く離れた久留米の地で織りなす交響をお楽しみください。

見どころ

高橋由一からはじまる日本近代洋画

《宮城県庁門前図》は、高橋由一が宮城県庁から依頼を受けて1881年に描いた作品です。それからちょうど100年後に開館した宮城県美術館は、この作品をコレクションの礎としながら、萬鉄五郎や松本竣介といった東北ゆかりの画家たちを中心に、日本近代洋画の充実したコレクションを形成しています。

  • 高橋由一《宮城県庁門前図》1881年
    高橋由一《宮城県庁門前図》1881年
  • 松本竣介《画家の像》1941年
    松本竣介《画家の像》1941年
  • 萬鉄五郎《風景・春》1912年 洲之内コレクション
    萬鉄五郎《風景・春》1912年 洲之内コレクション

カンディンスキー、そしてドイツ表現主義

宮城県美術館の西洋美術コレクションは、カンディンスキーの素描17点との出会いからはじまりました。その後、現在では美術館の顔ともなっている《カーニバル・冬》が加わり、さらにクレーやペヒシュタインなどの油彩画、そしてユーゲント・シュティールや表現主義者たちの重要な表現手段である版画作品などを収集。国内でも有数のドイツ近代美術コレクションとなっています。

  • パウル・クレー《力学値のつりあい》1935年
    パウル・クレー《力学値のつりあい》1935年
  • ヴァシリー・カンディンスキー《「E.R.キャンベルのための壁画No.4」の習作(カーニバル・冬)》1914年
    ヴァシリー・カンディンスキー《「E.R.キャンベルのための壁画No.4」の習作(カーニバル・冬)》1914年
  • ヘルマン・マックス・ペヒシュタイン《パイプ煙草を吸う漁師》1909年
    ヘルマン・マックス・ペヒシュタイン《パイプ煙草を吸う漁師》1909年

洲之内コレクション

「一枚の絵を心(しん)から欲しいと思う以上に、その絵についての完全な批評があるだろうか」と語った美術コレクター、洲之内徹。画商でありながら気に入った絵を人手に渡すことを嫌って自ら愛蔵することもあった彼が最後まで手放さなかった作品群は「洲之内コレクション」と呼ばれ、現在は宮城県美術館に収蔵されています。

  • 靉光《鳥》1942年頃 洲之内コレクション
    靉光《鳥》1942年頃 洲之内コレクション
  • 海老原喜之助《ポアソニエール》1935年 洲之内コレクション<br />
    海老原喜之助《ポアソニエール》1935年 洲之内コレクション
  • 長谷川潾ニ郎《猫》1966年 洲之内コレクション<br />
    長谷川潾ニ郎《猫》1966年 洲之内コレクション

戦後美術の展開

宮城県美術館は、日本近代洋画や西洋美術だけでなく、戦後美術の収集にも早くから目を向けており、開館前には当時の現代美術をまとめて収集しています。そして、東北の美術館でありながら、関西を活動拠点とした「具体美術協会」の作品が充実しているのも同館のユニークなポイントです。

  • 中村宏《階段にて》1959-60年
    中村宏《階段にて》1959-60年
  • 元永定正《作品》1964年<br />
©Motonaga Archive Research Institution Ltd.
    元永定正《作品》1964年
    ©Motonaga Archive Research Institution Ltd.
  • 桂ゆき《婦人の日》1953年
    桂ゆき《婦人の日》1953年

基本情報

会期
2025.2.8(土)‐2025.5.11(日)
会場
久留米市美術館 2階
入館料
個人 団体
一般 1,000円 800円
シニア 700円 500円
大学生 500円 300円
高校生以下 無料 無料
前売り (Pコード(686-813/Lコード86709)) 700円
※( )内は15名以上の団体料金、シニアは65歳以上
※上記料金で、石橋正二郎記念館もご覧いただけます
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳等の交付を受けている方とその介護者1名は無料となります
主催
久留米市美術館、宮城県美術館、朝日新聞社、西日本新聞社、テレビ西日本
協力
カトーレック株式会社
後援
久留米市教育委員会
スペシャルパートナー
株式会社ブリヂストン
オフィシャルパートナー
学校法人久留米大学、株式会社筑邦銀行、株式会社森光商店、喜多村石油株式会社、株式会社ユー・エス・イー
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