日本の近現代美術、ドイツ近代美術、そしてエッセイ「気まぐれ美術館」で知られるコレクター洲之内徹が最後まで手放さなかった「洲之内コレクション」など、7,000点に及ぶ国内有数の優れたコレクションで知られる宮城県美術館。同館のリニューアル工事に伴う休館を機に実現することとなった本展では、特色ある作品群の中からハイライトとなる74点の作品を紹介します。
「響きあう絵画」というタイトルは、宮城県美術館コレクションの顔の一人である画家、ヴァシリー・カンディンスキーが芸術の本質と考えた「内なる響き」からとっています。色や形が持つ「響き」が連なって一つの絵画を作り上げるように、個性豊かな作品群が、遠く離れた久留米の地で織りなす交響をお楽しみください。
《宮城県庁門前図》は、高橋由一が宮城県庁から依頼を受けて1881年に描いた作品です。それからちょうど100年後に開館した宮城県美術館は、この作品をコレクションの礎としながら、萬鉄五郎や松本竣介といった東北ゆかりの画家たちを中心に、日本近代洋画の充実したコレクションを形成しています。
宮城県美術館の西洋美術コレクションは、カンディンスキーの素描17点との出会いからはじまりました。その後、現在では美術館の顔ともなっている《カーニバル・冬》が加わり、さらにクレーやペヒシュタインなどの油彩画、そしてユーゲント・シュティールや表現主義者たちの重要な表現手段である版画作品などを収集。国内でも有数のドイツ近代美術コレクションとなっています。
「一枚の絵を心(しん)から欲しいと思う以上に、その絵についての完全な批評があるだろうか」と語った美術コレクター、洲之内徹。画商でありながら気に入った絵を人手に渡すことを嫌って自ら愛蔵することもあった彼が最後まで手放さなかった作品群は「洲之内コレクション」と呼ばれ、現在は宮城県美術館に収蔵されています。
宮城県美術館は、日本近代洋画や西洋美術だけでなく、戦後美術の収集にも早くから目を向けており、開館前には当時の現代美術をまとめて収集しています。そして、東北の美術館でありながら、関西を活動拠点とした「具体美術協会」の作品が充実しているのも同館のユニークなポイントです。
個人 | 団体 | |
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一般 | 1,000円 | 800円 |
シニア | 700円 | 500円 |
大学生 | 500円 | 300円 |
高校生以下 | 無料 | 無料 |
前売り (Pコード(686-813/Lコード86709)) | 700円 |