久留米市美術館
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25歳で早逝した英国の画家オーブリー・ビアズリー(1872-1898)。蝋燭の光をたよりに、精妙な線と大胆な白黒の色面からなる洗練された作品で19世紀末の欧米を騒然とさせました。本展は、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)の協力により、出世作の『アーサー王の死』や、雑誌「ステューディオ」に掲載された連作《サロメ》など、初期から晩年までの挿絵やポスター、同時代の装飾品など約200点を通じてその魅力に迫ります。
※公益財団法人石橋財団特別助成
橋口五葉(1881-1921、鹿児島生まれ)は、わが国におけるブックデザインや新板画の先駆者として知られています。夏目漱石の小説家デビュー作である『吾輩ハ猫デアル』をはじめ、『三四郎』、『それから』、『門』といった漱石本のほか、泉鏡花、永井荷風など近代文学を代表する作家の書籍装幀を数多く手掛けました。本展では五葉の<グラフィック・デザイナー>としての仕事に着目し、その豊かなデザイン世界を紹介します。
『吾輩ハ猫デアル』上編・中編・下編(夏目漱石著)個人蔵 撮影:上野則宏筑後にゆかりのある作家を紹介する「ちくごist」シリーズの第二弾として、久留米生まれの洋画家、古賀春江(1895-1933)をとりあげます。アーティゾン美術館と久留米市美術館が所蔵する作品と資料を中心に構成する本展では、スケッチブックやノートなど豊富な資料を読み解くことで古賀の素顔と魅力に迫ります。古賀の師でもあった松田諦晶をはじめ、青木繁、坂本繁二郎、髙島野十郎ら古賀と交流のあった作家たちもあわせて紹介します。
古賀春江《牛を焚く》1927年 個人蔵3000点におよぶ石橋財団コレクションの中から、新収蔵作品を中心に、アーティゾン美術館の「いま」を伝える作品約80点を紹介します。印象派や日本近代洋画などブリヂストン美術館の伝統を引き継ぎながらも、現代美術や女性作家、日本近世美術の収集にも力を注ぎ、コレクションの幅を広げ続けるアーティゾン美術館。その新たなコレクションが初めて館外に貸し出されることとなり、ここ久留米で展示されます。
※公益財団法人石橋財団特別助成