展覧会

日本が見たドニ | ドニの見た日本

2024.11.2(土)‐2025.1.13(月・祝)

日本が見たドニ | ドニの見た日本

19世紀末のパリで、画家として、また、20世紀美術の到来を予告した美術評論家として活動をはじめたモーリス・ドニ(1870-1943)。その生涯と作品、ならびに、同時代に生きた日本の画家たちとの接点を辿る展覧会です。

ジャポニスムの時代に育ったドニは、画業形成にあたり日本の美術から大きな示唆を受けました。20世紀初頭、仲間と一緒に画塾で教えはじめてからは、梅原龍三郎ら日本の画学生たちと直接かかわりを持つことになります。また、彼の作品は日本人のコレクターの手によって早々に来日し、1920年代には早くも我が国で紹介展示されました。

本展では、そのように幾たびも出会い、互いに手を差しのべあってきたモーリス・ドニと日本との幸福な関係を、約130点の作品と関連資料によってご覧いただきます。

○ドニと黒田清輝 同世代の若者たちの運命的な交錯!

○ナビ派の学校アカデミー・ランソンで学んだ日本人たち!

○フランスから世界へ 名画《バッカス祭》が展示室に並ぶ!

○ドニの《アルミードの園》が展覧会に初出品! 幻の画家・小柴錦侍の代表作も!

見どころ

第1章 ジャポニスムの申し子|「ナビ派」の誕生に居合わせた日本人

19 世紀末のパリ。ドニやボナールら若い芸術家たちがグループ 「ナビ派」を結成します。「ナビ」とはヘブライ語で「預言者」を意味し、それまでの西洋絵画に、平坦な色面や大胆な構図、装飾性を取り入れて新しい芸術の方向性を示そうとしました。この章では、ナビ派の誕生と成長をご覧いただくとともに、彼らのデビュー時にパリに留学していた黒田清輝や久米桂一郎とドニとの知られざる一瞬の交錯をご覧いただきます。

 -1 プロローグ〜ナビ派の揺籃
 -2 ドニとナビ派の仲間たち
 -3 ファースト・コンタクト〜ナビ派の誕生に居合わせた日本人
 -4 アール・ヌーヴォーの渦の中で

  • モーリス・ドニ《雌鶏と少女》1891 国立西洋美術館
    モーリス・ドニ《雌鶏と少女》1891 国立西洋美術館
  • アリスティド・マイヨール《山羊飼の娘》1890年頃 岐阜県美術館
    アリスティド・マイヨール《山羊飼の娘》1890年頃 岐阜県美術館
  • エドゥアール・ヴュイヤール《薯をむくヴュイヤール夫人》1893年 公益財団法人大原芸術財団大原美術館
    エドゥアール・ヴュイヤール《薯をむくヴュイヤール夫人》1893年 公益財団法人大原芸術財団大原美術館
  • モーリス・ドニ《夕映えの中のマルト》1892年 新潟県立近代美術館・万代島美術館
    モーリス・ドニ《夕映えの中のマルト》1892年 新潟県立近代美術館・万代島美術館
  • 黒田清輝《夏図習作(横たわる女)》1892年頃 宇都宮美術館
    黒田清輝《夏図習作(横たわる女)》1892年頃 宇都宮美術館
  • モーリス・ドニ《なでしこを持つ若い女》1896年 岐阜県美術館
    モーリス・ドニ《なでしこを持つ若い女》1896年 岐阜県美術館

第2章 アカデミー・ランソン|パリの画学生〜明治・大正・昭和

1908年、ナビ派の仲間が画塾「アカデミー・ランソン」を開きます。ルノワールから「良い先生がいる」と勧められた梅原龍三郎をはじめ、少なからぬ日本人留学生がここで学びました。この章では、変わりゆく20世紀の美術潮流にとまどいながら、ドニや、後任のビシエールから教えを受けた若き日本人画家たちのパリでの奮闘と、一方、ナビ派にも通じる装飾性の高い芸術が花開いたわが国の大正期の洋画・日本画を紹介します。

 -1 アカデミー・ランソンでドニに学ぶ〜第一次世界大戦まで
 -2 大正への経脈
 -3 アカデミー・ランソンで学ぶ〜エコール・ド・パリの時代

  • モーリス・ドニ《聖母月》1907年 ヤマザキマザック美術館
    モーリス・ドニ《聖母月》1907年 ヤマザキマザック美術館
  • モーリス・ドニ《アルミードの園》1907年 富士屋ホテル
    モーリス・ドニ《アルミードの園》1907年 富士屋ホテル
  • ピエール・ボナール《子供と猫》1906年頃 愛知県美術館
    ピエール・ボナール《子供と猫》1906年頃 愛知県美術館
  • 太田喜二郎《赤い日傘》1912年 新潟大学
    太田喜二郎《赤い日傘》1912年 新潟大学
  • 福島金一郎《夏休み》1936年頃 勝央美術文学館
    福島金一郎《夏休み》1936年頃 勝央美術文学館
  • 板倉鼎《休む赤衣の女》1929年 平澤久男氏蔵
    板倉鼎《休む赤衣の女》1929年 平澤久男氏蔵

第3章 宗教芸術家として|そして彼の絵は海を渡る

ドニは生涯を通じ敬虔なカトリック教徒でした。第一次世界大戦後、壁画装飾など公共の仕事に意欲的に取り組みながら、1919年には宗教美術を研究するアトリエ・ダール・サクレを設立します。その頃、美術を愛好する日本人コレクターが登場し、彼らが収集したドニの作品は、早くも1920年代から国内で展示紹介されました。戦前に来日したドニの作品は、歴史ある日本各地の美術館に収蔵され、今なお大切にされています。

 -1 海を渡る絵画
 -2 祈りの絵画
 -3 エピローグ〜ナビ派回帰

  • モーリス・ドニ《波》1916年 公益財団法人大原芸術財団大原美術館
    モーリス・ドニ《波》1916年 公益財団法人大原芸術財団大原美術館
  • モーリス・ドニ《花飾りの舟》1921年 愛知県美術館
    モーリス・ドニ《花飾りの舟》1921年 愛知県美術館
  • モーリス・ドニ《若い母》1919年 国立西洋美術館 松方コレクション
    モーリス・ドニ《若い母》1919年 国立西洋美術館 松方コレクション
  • モーリス・ドニ《バッカス祭》1920年 アーティゾン美術館
    モーリス・ドニ《バッカス祭》1920年 アーティゾン美術館
  • モーリス・ドニ《ベンガル虎 バッカス祭》1920年 新潟県立近代美術館・万代島美術館
    モーリス・ドニ《ベンガル虎 バッカス祭》1920年 新潟県立近代美術館・万代島美術館
  • 小柴錦侍《卒世(いつも)やさしいサンタマリア》1926年 一般社団法人如水会
    小柴錦侍《卒世(いつも)やさしいサンタマリア》1926年 一般社団法人如水会

基本情報

会期
2024.11.2(土)‐2025.1.13(月・祝)
会場
久留米市美術館
入館料
個人 団体
一般 1,200円 1.000円
シニア 900円 700円
大学生 600円 400円
高校生以下 無料 無料
前売り (Pコード686-812/Lコード86708) 900円
*身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳等の交付を受けている方とその介護者1名は、無料。
*団体料金は15名以上、シニアは65歳以上。
*前売券はチケットぴあ、ローソン各店にて会期1ヶ月前より販売。
*上記料金にて石橋正二郎記念館もご覧いただけます。
*メンバーシップ「みゅ〜ず」の会員の方は、こちらをご覧ください。
主催
久留米市美術館、読売新聞社、テレQ
後援
久留米市教育委員会
特別協賛
公益財団法人石橋財団
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