19世紀末のパリで、画家として、また、20世紀美術の到来を予告した美術評論家として活動をはじめたモーリス・ドニ(1870-1943)。その生涯と作品、ならびに、同時代に生きた日本の画家たちとの接点を辿る展覧会です。
ジャポニスムの時代に育ったドニは、画業形成にあたり日本の美術から大きな示唆を受けました。20世紀初頭、仲間と一緒に画塾で教えはじめてからは、梅原龍三郎ら日本の画学生たちと直接かかわりを持つことになります。また、彼の作品は日本人のコレクターの手によって早々に来日し、1920年代には早くも我が国で紹介展示されました。
本展では、そのように幾たびも出会い、互いに手を差しのべあってきたモーリス・ドニと日本との幸福な関係を、約130点の作品と関連資料によってご覧いただきます。
○ドニと黒田清輝 同世代の若者たちの運命的な交錯!
○ナビ派の学校アカデミー・ランソンで学んだ日本人たち!
○100年ごしの再会! 名画《バッカス祭》が展示室に並ぶ
○ドニの《アルミードの園》が展覧会に初出品! 幻の画家・小柴錦侍の代表作も
19 世紀末のパリ。ドニやボナールら若い芸術家たちがグループ 「ナビ派」を結成します。「ナビ」とはヘブライ語で「預言者」を意味し、それまでの西洋絵画に、平坦な色面や大胆な構図、装飾性を取り入れて新しい芸術の方向性を示そうとしました。この章では、ナビ派の誕生と成長をご覧いただくとともに、彼らのデビュー時にパリに留学していた黒田清輝や久米桂一郎とドニとの知られざる一瞬の交錯をご覧いただきます。
-1 プロローグ〜ナビ派の揺籃
-2 ドニとナビ派の仲間たち
-3 ファースト・コンタクト〜ナビ派の誕生に居合わせた日本人
-4 アール・ヌーヴォーの渦の中で
1908年、ナビ派の仲間が画塾「アカデミー・ランソン」を開きます。ルノワールから「良い先生がいる」と勧められた梅原龍三郎をはじめ、少なからぬ日本人留学生がここで学びました。この章では、変わりゆく20世紀の美術潮流にとまどいながら、ドニや、後任のビシエールから教えを受けた若き日本人画家たちのパリでの奮闘と、一方、ナビ派にも通じる装飾性の高い芸術が花開いたわが国の大正期の洋画・日本画を紹介します。
-1 アカデミー・ランソンでドニに学ぶ〜第一次世界大戦まで
-2 大正への経脈
-3 アカデミー・ランソンで学ぶ〜エコール・ド・パリの時代
ドニは生涯を通じ敬虔なカトリック教徒でした。第一次世界大戦後、壁画装飾など公共の仕事に意欲的に取り組みながら、1919年には宗教美術を研究するアトリエ・ダール・サクレを設立します。その頃、美術を愛好する日本人コレクターが登場し、彼らが収集したドニの作品は、早くも1920年代から国内で展示紹介されました。戦前に来日したドニの作品は、歴史ある日本各地の美術館に収蔵され、今なお大切にされています。
-1 海を渡る絵画
-2 祈りの絵画
-3 エピローグ〜ナビ派回帰
個人 | 団体 | |
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一般 | 1,200円 | 1.000円 |
シニア | 900円 | 700円 |
大学生 | 600円 | 400円 |
高校生以下 | 無料 | 無料 |
前売り (Pコード686-812/Lコード86708) | 900円 |