藍は、古くから日本で親しまれ、様々な染織技法と結びつき、衣服などの染料として用いられてきました。本展では、江戸時代の宮廷装束や湯帷子にはじまり、精緻な型染めを施す長板中形や絞り・注染などの技法で意匠を凝らした浴衣、藍と白に染め分けた糸で多様な文様を織りなす、筑後の地で生まれた久留米絣など、藍染めによる染織文化の広がりとその多彩な魅力を紹介します。さらに、伝統と革新を兼ね備えた現代作家やデザイナーの試み、日本古来の藍染め技法に立ちかえって制作された作品など、時代とともに変遷していく藍の「ものがたり」を探ります。
※会期中、展示替えを行います。
1期:7月20日(土)-8月18日(日)
2期:8月20日(火)-9月8日(日)
3期:9月10日(火)-10月14日(月・祝)
日本の伝統的な藍染めでは、藍の葉を乾燥、発酵・熟成させてつくる「すくも」を原料に「藍建て」を行い、布や糸を染めます。藍染めは、かつては一部の上層階級の装束に用いられましたが、次第に各地へ広がり、今日に至るまで進化しながら伝統技術を受け継いできました。本展では、伝統的な藍染めから、現代作家やデザイナーたちの新たな試みによる現代の藍染めまでを辿ります。
江戸時代中期頃になると、木綿が全国に流通し、麻に替わって普及しました。木綿と藍の結びつきにより、各地で様々な藍染め技法が生まれ、発展しました。当時、藍の産地であった筑後の地で生まれた久留米絣は、藍と白に染め分けた絣糸で織り上げる綿織物です。繊細な藍の濃淡と綿糸の白が、幾何学文様・吉祥文様などの多岐にわたる柄に生かされています。
木綿が庶民の衣服の素材となると、夏の涼衣である浴衣が、日本の染織において「藍染めの木綿」を一般に普及させることになりました。型紙彫り・長板による型付け・藍染めという流れで行われる「長板中形」、型紙により防染した生地を幾重にも重ねて染料を注いで染める「注染」など、その精緻な技法と多彩な意匠に注目します。
個人 | 団体 | |
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一般 | 1,000円 | 800円 |
シニア | 700円 | 500円 |
大学生 | 500円 | 300円 |
前売り (Pコード686-811/Lコード86707) | 700円 |