久留米市美術館は、約10か月の休館を経て、再び活動を始めます。その第一弾として、同郷同年生まれの洋画家、青木繁(1882-1911)と坂本繁二郎(1882-1969)の二人展を開催します。
青木と坂本は、同じ年に久留米に生まれ、同じ高等小学校で学び、同じ洋画塾で画家を志しました。28年の生涯を駆け抜けた青木と、87年の生涯をゆっくりと絵ひとすじに生きた坂本。日本の洋画が成熟へと向かう時代の流れのなかで、それぞれの画風を探求した二人は、ともに画家としての道を歩みながらも、その生き方は対照的でした。
生誕140年という記念の年、66年ぶりの二人展として開催される本展では、めざす方向も性格も、生きた時代の長さも異なる二人の「旅」を、ときに交差させながらひもときます。
二人の特徴や関係性をよく示す作品を中心に、代表作を含む約250点により、それぞれの初期から晩年までの画業を「出会い」、「別れ」、「旅立ち-坂本繁二郎」、「交差する旅」の4章に分けて紹介します。
※会期中、紙作品を中心に展示替えを行います。
前期:10月29日(土)- 12月11日(日)
後期:12月13日(火)- 1月22日(日)
青木と坂本の二人を取り上げた展覧会は、石橋美術館(現・久留米市美術館)開館の年である、1956年に開催された「青木繁・坂本繁二郎作品展覧会」以来、66年ぶりとなります。再び久留米の地で開催される本展では、二人の関係性を示す作品を中心にすえて紹介しています。
青木と坂本が描いた中で、唯一同じ題材であったのが能面です。青木が東京美術学校在学中に東京帝室博物館(現東京国立博物館)で描いた「仮面スケッチ」がまとまって展示されるのは約40年ぶりとなります。一方の坂本の「能面」は還暦をすぎたころから着手したもので、坂本の晩年を代表する作品のひとつです。
展示総数約250点を通して二人の「旅」をたどる本展では、代表作を含む初期から晩年までの作品を紹介します。青木の《海の幸》や《わだつみのいろこの宮》、坂本の《放牧三馬》や《月》など、二人の画業を代表する作品が一堂に会します。
青木繁
1882(明治15)年、久留米市生まれ。1903年、東京美術学校(現東京藝術大学)在学中に神話に取材した作品群でデビュー。翌夏、友人の坂本、森田恒友、恋人の福田たねと房州の漁村(現千葉県館山市)に滞在し、坂本から聞いた大漁陸揚げの話に想像力をかき立てられ大作《海の幸》を制作。1907年に帰郷し、九州各地を放浪。中央画壇への復帰を画策するが、その希望は叶うことなく、1911(明治44)年、肺結核のため28歳で死去。
坂本繁二郎
1882(明治15)年、久留米市生まれ。1902年、青木に誘われ上京、不同舎と太平洋画会研究所で学ぶ。青木が没すると、遺作展開催や画集の出版などその顕彰に尽力。1912年、文展出品作《うすれ日》が夏目漱石に評価され、1914年、二科展結成に加わる。1924年、3年間のパリ留学を終えて郷里久留米へ戻った後、1931年、八女市へ移る。1969(昭和44)年、87歳の長寿を全うするまで、牛や馬、能面や月などを多く描いた。
個人 | 団体 | |
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一般 | 1,000円 | 800円 |
シニア | 700円 | 500円 |
大学生 | 500円 | 300円 |
高校生以下 | 無料 | 無料 |
前売り (Pコード686-198/Lコード86700) | 600円 |