展覧会

白馬のゆくえ 小林萬吾と日本洋画50年

2020.06.20(土)-2020.08.23(日)

白馬のゆくえ 小林萬吾と日本洋画50年

香川県三豊市詫間町出身の洋画家・小林萬吾(1868−1947)。日本洋画の黎明期に油絵を学んだ彼は、黒田清輝のもと白馬会や官展で作品を発表し、東京美術学校で教鞭をとりました。ヨーロッパ留学を経て、自らの様式を模索しながら後進を育成した彼の歩みは、まさに、明治から大正、そして昭和戦後にいたる日本洋画の歴史と重なります。その50年に及ぶ画業を、萬吾が巡り会い、ともに日本洋画の歴史に名を刻んできた個性豊かな洋画家たちの名作の数々とともにご覧いただきます。

出品目録(PDF/1.4MB)

見どころ

第1章 黒田清輝との出会い

1880年代、印象派やジャポニスムを横目に本場のアカデミズムを学び、1893(明治26)年、明るい光をまとった絵画技法を持ち帰った黒田清輝。その画風は日本の画家たちに衝撃を与えました。若き小林萬吾の目に、当時の洋画界はどのように映っていたのでしょうか。萬吾が上京して絵画修業を開始し、黒田清輝に出会うまでを紹介します。

  • 小林萬吾《芝増上寺》1892−93年<br />
愛媛県美術館
    小林萬吾《芝増上寺》1892−93年
    愛媛県美術館
  • 黒田清輝《婦人像(厨房)》1892年 <br />
東京藝術大学
    黒田清輝《婦人像(厨房)》1892年 
    東京藝術大学
  • 久米桂一郎《裸婦立像(習作)》1889年 <br />
久米美術館
    久米桂一郎《裸婦立像(習作)》1889年 
    久米美術館

第2章 白馬会と東京美術学校

1896(明治29)年、黒田清輝や久米桂一郎のもとに俊英が集い「白馬会」が結成されました。同じ年、東京美術学校には西洋画科が新設されます。アカデミックな土壌と、新風を吹き込む発表の場が、日本洋画界では同時にスタートを切ったのです。萬吾とともに活動した白馬会、そして、ともに学んだ美術学校出身の画家たちによる名作から、瑞々しい明治の姿をご覧いただきます。

  • 黒田清輝《木かげ》1898年 ウッドワン美術館
    黒田清輝《木かげ》1898年 ウッドワン美術館
  • 児島虎次郎《登校》1906年 高梁市成羽美術館
    児島虎次郎《登校》1906年 高梁市成羽美術館
  • 小林萬吾《渡舟》1909年 <br />
香川県立ミュージアム
    小林萬吾《渡舟》1909年 
    香川県立ミュージアム

第3章 憧憬ヨーロッパ

洋行は画学生の憧れでした。1900年の万博を契機に、また、大きな戦乱の終結のたびに、留学生の数は倍増しました。小林萬吾が派遣された1911(明治44)年前後には安井曾太郎や藤田嗣治ほか多数が欧州に集結。萬吾も他の留学生と交流し、各国を旅し、制作しました。萬吾の滞欧期間(1911−14)を中心に、彼が影響を受けたり、交流をもった画家たちが描いた1920年代までの作品をご覧ください。

  • 小林萬吾《アトリエ》1912年 <br />
香川県立ミュージアム
    小林萬吾《アトリエ》1912年 
    香川県立ミュージアム
  • 児島虎次郎《和服を着たベルギーの少女》<br />
1910年 高梁市成羽美術館
    児島虎次郎《和服を着たベルギーの少女》
    1910年 高梁市成羽美術館
  • アンリ=ジャン・ギヨーム・マルタン<br />
《花と泉水》<br />
国立西洋美術館(松方コレクション)
    アンリ=ジャン・ギヨーム・マルタン
    《花と泉水》
    国立西洋美術館(松方コレクション)

第4章 日本の光を求めて

1907(明治40)年、フランスのサロンに倣った第1回文展が行われます。萬吾が留学した1911年に白馬会は解散し、後続の光風会や官展に発表の場は移りました。ヨーロッパからの帰国後、萬吾は自分ならではの表現を追求します。それは同時代の画家たちに共通する問題であり、それぞれの模索が西洋由来の油絵を日本の洋画として成熟させていきます。

  • 岡田三郎助《花野》1917年 佐賀県立美術館
    岡田三郎助《花野》1917年 佐賀県立美術館
  • 藤島武二《匂い》1915年 東京国立近代美術館
    藤島武二《匂い》1915年 東京国立近代美術館
  • 小林萬吾《花鈿》1927年<br />
香川県立ミュージアム
    小林萬吾《花鈿》1927年
    香川県立ミュージアム

第5章 同舟舎から次世代へ

東京美術学校の教授陣は、それぞれが画塾を開くなど、手広く後進を指導しました。萬吾は戦後まもない1947年に亡くなりますが、生前に育てた画家たちが、戦中戦後に大いに活躍します。萬吾に教えを受けた画家には麻生三郎や牛島憲之、駒井哲郎、野見山暁治ら個性的な面々が名を連ねています。画家、そして教師として生きた小林萬吾の薫陶を受けた、次世代の作家たちを紹介します。

  • 猪熊弦一郎《座像》1929年 <br />
香川県立ミュージアム<br />
©The NIMOCA Foundation
    猪熊弦一郎《座像》1929年 
    香川県立ミュージアム
    ©The NIMOCA Foundation
  • 牛島憲之《樹》1949年 久留米市美術館
    牛島憲之《樹》1949年 久留米市美術館
  • 坂本善三《黒の構成》1976年 熊本県立美術館
    坂本善三《黒の構成》1976年 熊本県立美術館

基本情報

会期
2020.06.20(土)-2020.08.23(日)
会場
久留米市美術館 本館2階
入館料
個人 団体
一般 1,000円 800円
シニア 700円 500円
大学生 500円 300円
高校生以下 無料 無料
前売り (Pコード685-255/Lコード86697) 600円
*団体料金は15名以上、シニアは65歳以上。
*身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳等の交付を受けている方とその介護者1名は、一般個人料金の半額となります。
*前売券はチケットぴあ、ローソン各店にて6月9日(火)より販売。
*メンバーシップ「みゅ〜ず」のミュージアム会員は無料(年間フリーパス特典有り。同伴者1名まで無料)、スタンダード会員は団体料金にてご入館いただけます。
*メンバーシップ「みゅ〜ず」の会員制度は、こちらをご覧ください。
主催
久留米市美術館、西日本新聞社、TVQ九州放送
後援
久留米市教育委員会
スペシャルパートナー
株式会社ブリヂストン
オフィシャルパートナー
学校法人久留米大学、株式会社筑邦銀行、株式会社森光商店、喜多村石油株式会社、株式会社ユー・エス・イー、株式会社CIG
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