川端康成(1899-1972)は、『伊豆の踊子』、『雪国』などで知られ、また日本人として初めてノーベル文学賞を受賞した、文字どおり日本を代表する作家である。彼はまた古賀春江、東山魁夷ら画家との交友や、美術品コレクターとしても知られる。本展では、幅広い時代と分野にまたがる川端コレクションを紹介するとともに、川端という作家を通し美術と文学が交錯する様を明らかにする。
1974年、公立の美術館として全国的にも先駆けるかたちで、現在の戸畑区と八幡区の境目にあたる丘の上に北九州市立美術館が姿を現し、その後を追うこと5年、福岡市美術館が都心部の憩いの場である大濠公園に開館します。以降、この2つの美術館は、互いに個性を競い合いながら福岡の美術史を牽引し続けてきました。
今回の展覧会では、双方の美術館の改修工事を機に、普段はライバル関係とも言える2館の主要な作品が一堂に会し、フランス印象派から国内外の現代美術まで楽しめるまさに「夢のような」美術館が誕生します。
アラスカの自然と動物を愛した写真家・星野道夫(1952-1996)の仕事を約250点の写真で回顧します。
星野が1996年8月ロシア・カムチャツカ半島クリル湖畔で熊に襲われ亡くなってから20年。彼の写真は今でも私たちに大きな感動を与えています。本展ではアラスカとの出会い、マスターピース、生命のつながり、神話の世界、星野道夫の部屋 の5つの構成で動物写真の魅力だけでなく、星野がアラスカに魅せられることになったきっかけ、写真家としての取り組み、挑戦、葛藤など心の内面も紹介します。
今回の展覧会では、画家や彫刻家の熱いまなざしに注目して、石橋コレクションから選ばれた総数約130点の作品を「人物」「自然」「馬」「静物」「都市」「見えないもの」の6つのグループに分けて紹介します。
ギリシア陶器から国内外の近現代美術まで、幅広い時代とジャンルにわたるブリヂストン美術館の収蔵作品から、作家たちの「じっと見た」軌跡をお楽しみください。
なお、会期中には関連イベントとして、ブリヂストン美術館の学芸員による美術講座やファミリープログラムも予定しています。
鹿児島出身で、二科会を基盤に活躍した東郷青児(1897−1978)。その1920年代から50年代の活動に焦点を当て、特にこれまで注目されることが少なかった1930〜40年代の作品や資料を多く紹介します。
日本社会も大きく揺れ動いたこの時代、東郷は、装丁や舞台装置の仕事、百貨店の壁画制作などを経験し、上品で繊細な女性像を洗練させていきました。本展では、これらの仕事と展覧会出品作の両方に目をくばり、互いの影響関係を検証しつつ、初期の前衛的な作風から、戦後人気を博したスタイルに至るまでの過程を探ります。
2016年11月19日に開館した久留米市美術館。九州洋画の体系的コレクションをめざす美術品収集は現在進行中です。開館後初めてのコレクション展示となるこのたびの展覧会では、久留米市美術館所蔵作品、石橋財団および個人等からの寄託作品合計約100点を、九州の洋画家たちの関係に注目し、ときに画家同士のエピソードなども交え紹介するものです。本展覧会を通して、九州の洋画家たちの意外な素顔に接し、画家と作品についてさらに理解を深めてもらえたらと思います。