展覧会

求道の画家 岸田劉生と椿貞雄

2018.04.07(土) - 2018.06.17(日)

求道の画家 岸田劉生と椿貞雄

 久留米市美術館では、大正期の美術界にユニークな位置を占めた美術団体「草土社(そうどしゃ)」で深い交流のあった二人の画家、岸田劉生(きしだりゅうせい)(1891~1929)と椿貞雄(つばきさだお)(1896~1957)の展覧会を開催します。

 二人の代表作を含む油彩画、日本画、書簡などにより、師弟であり、共に写実の美を追求した同志であり、生涯の友でもあった二人の強い絆と、それぞれの個性の足跡をたどります。東京出身の劉生と東北ゆかりの椿の二人展は、九州では初の開催です。

出品目録(PDF/513KB)

見どころ

ともに目指した写実絵画

劉生がデューラーなど北方ルネサンス絵画に傾倒していた頃、その劉生の作品を東京で偶然目にした椿は、強い感銘を受け入門を決意します。やがて劉生が結成した「草土社」において、二人は草や土までも細密に描写する求道者的な写実表現に邁進していきます。

  • 岸田劉生《椿君に贈る自画像》<br />
1914年 東京都現代美術館
    岸田劉生《椿君に贈る自画像》
    1914年 東京都現代美術館
  • 椿貞雄《自画像》<br />
1915年 千葉県立美術館
    椿貞雄《自画像》
    1915年 千葉県立美術館
  • 椿貞雄《赤土の山》》<br />
1915年 米沢市上杉博物館
    椿貞雄《赤土の山》》
    1915年 米沢市上杉博物館
  • 岸田劉生<br />
《古屋君の肖像(草持てる男の肖像)》1916年 東京国立近代美術館
    岸田劉生
    《古屋君の肖像(草持てる男の肖像)》1916年 東京国立近代美術館
  • 岸田劉生《童女図(麗子立像)》<br />
1923年 神奈川県立近代美術館
    岸田劉生《童女図(麗子立像)》
    1923年 神奈川県立近代美術館
  • 椿貞雄《菊子座像》<br />
1922年 平塚市美術館
    椿貞雄《菊子座像》
    1922年 平塚市美術館

東洋の美へのまなざし

劉生が中国の宋元画、さらに浮世絵や南画に関心を広げるにつれ、椿もまた、劉生の影響を受けて日本画に取り組みます。紙と墨が生み出す東洋の美の魅力に迫ろうとした、二人の研究の成果が見られます。

  • 岸田劉生《画人無為》(部分)<br />
1926年 笠間日動美術館
    岸田劉生《画人無為》(部分)
    1926年 笠間日動美術館
  • 椿貞雄《画家の家》(部分)<br />
1935年 米沢市上杉博物館
    椿貞雄《画家の家》(部分)
    1935年 米沢市上杉博物館
  • 椿貞雄《猫図(黒猫図)》<br />
1944年 米沢市上杉博物館
    椿貞雄《猫図(黒猫図)》
    1944年 米沢市上杉博物館

劉生没後の椿の展開

劉生が38歳で急逝し、椿は大きな喪失感を抱えますが、約7ヶ月の渡欧体験を機に、画家としての再出発を決意します。その後、椿の絵画は、愛する妻や娘を描いた作品のほか、戦後は孫と長崎風景が主要なテーマとなっていきます。

  • 椿貞雄《髪すき図》<br />
1931年 東京国立近代美術館
    椿貞雄《髪すき図》
    1931年 東京国立近代美術館
  • 椿貞雄《壺(白磁大壺に椿)》<br />
1947年 米沢市上杉博物館
    椿貞雄《壺(白磁大壺に椿)》
    1947年 米沢市上杉博物館
  • 椿貞雄《大浦天主堂》<br />
1957年 米沢市上杉博物館
    椿貞雄《大浦天主堂》
    1957年 米沢市上杉博物館

基本情報

会期
2018.04.07(土)- 2018.06.17(日)
会場
久留米市美術館 本館2階
入館料
個人 団体
一般 1,000円 800円
シニア 700円 500円
大学生 500円 300円
高校生以下 無料 無料
前売り (Pコード768-892 /Lコード86681) 600円
*団体料金は15名以上。
*障害者の方は手帳をご提示いただきますと、ご本人と介護者1名が一般料金の半額となります。
*前売券はチケットぴあ、ローソン各店にて展覧会開始日の約1か月前より販売。
主催
久留米市美術館、毎日新聞社、RKB毎日放送
後援
久留米市教育委員会
企画協力
公益財団法人 日動美術財団、米沢市上杉博物館
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