2024.11.2(土)‐2025.1.13(月・祝)
青木繁や坂本繁二郎を育んだ久留米及び筑後の地にゆかりのある作家を紹介する「ちくごist」シリーズの第1回。現在のうきは市に生まれた尾花成春(1926-2016)は、故郷である筑後の地で仕事と並行して制作を行い、前衛美術集団「九州派」での活躍や15年以上描き続けた「筑後川シリーズ」などで知られています。本展では、初期から晩年までの作品に資料も加え、ひたすら筑後で制作することにこだわった尾花成春の全貌を紹介します。
古くから日本で親しまれてきた藍染めの文化は、各地で根付き、様々な染織技法と結びついてきました。長板中形による精緻な紋様の型染めや、濃淡をつけて染め分けた糸で多様な文様を織りなす久留米絣など、伝統に立脚しながらも今日に至るまで進化を続けています。本展では、現代の工芸作家たちによる新たな展開や藍に関心を持つデザイナーの仕事なども紹介することで、藍染めによる染織文化の広がりとその多彩な魅力を紹介します。
フランスの画家モーリス・ドニ(1870-1943)は、印象派に続く世代の前衛グループ「ナビ派」の一員で、20世紀美術を予告した美術批評家としても知られています。印象派の次世代として青年期に「ジャポニスム」の洗礼を受け、画塾アカデミー・ランソンでは日本人留学生を受け入れました。日本では大正期には雑誌『白樺』等で紹介され、1920年代早々に作品が公開されました。東西双方から憧れたドニと日本との長く幸福な関係を辿る展覧会です。
1981年に開館した宮城県美術館は、日本の近現代美術、ドイツ近代美術、絵本の原画、そしてエッセイ「気まぐれ美術館」で知られるコレクター洲之内徹の「洲之内コレクション」を中心とする特色あるコレクションを形成しています。同館の改修工事を機に開催する本展では、高橋由一や海老原喜之助などの近代洋画をはじめ、クレーやカンディンスキーら海外作家、そして具体美術協会などの戦後美術まで、宮城県美術館の代表的な絵画コレクションを紹介します。
松本竣介 松本竣介 《画家の像》1941年 宮城県美術館