石橋正二郎記念館は、石橋文化センター開園60周年を迎えた2016年11月に、石橋美術館別館を改修し、公益財団法人石橋財団より久留米市に寄贈されたものです。石橋正二郎は生涯を通じて、故郷である福岡県久留米市の発展に尽くしました。郷里の発展と文化振興を願い建設した石橋文化センターは、1956年の開園当初から多くの人々に親しまれるとともに、時代の要請に応じてその姿を変えてきました。当記念館では、その芸術文化の拠点としての変遷と、石橋正二郎の歩みやひととなりを伝える様々な資料を紹介しています。
「私が文化センター正門の壁面に、『世の人々の楽しみと幸福の為に』と記しております如く、此の文化センターに於ける、高尚な美術、音楽、映画、健全なスポーツ、園芸等の施設によって、市民皆さんの健康な趣味娯楽の普及、青少年の体位の向上、豊かさと平和と活動的な生活をもたらし、家族的な楽しみを増し、社会生活を正しく、明るい社会を作ることを信じ、我が久留米市の発展と、近代的文化都市建設の一端に寄与せんことを念願して止まざるものであります。」
石橋文化センター開園にあたっての挨拶より (1956年4月)
石橋正二郎
石橋正二郎は1889年、福岡県久留米市に生まれました。17歳のとき家業の仕立物屋を継ぎ、地下足袋の創製やゴム靴の製造を通じて全国的な企業へと拡大。1931年にはブリッヂストンタイヤ株式会社(現・株式会社ブリヂストン)を創業し、自動車タイヤの国産化に成功して、同社を、日本を代表する企業へと発展させました。一方で、若年の頃から数々の文化事業に取り組み、九州医学専門学校(現・久留米大学)の設立支援(1928)、ブリヂストン美術館(現・アーティゾン美術館)の創設(1952)、石橋文化センターの建設寄贈(1956)、ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館の建設寄贈(1956)、東京国立近代美術館の新築寄贈(1969)のほか、数多くの寄付活動を行いました。「世の人々の楽しみと幸福の為に」という言葉には、企業経営と文化事業を通じて社会に貢献した正二郎の、生涯にわたる強い想いが表れています。
石橋正二郎の生涯を動画で見る
石橋文化センターを建設寄贈した石橋正二郎の生涯を動画で紹介します。イラストや写真、映像などを多用して、楽しくわかりやすい動画にしました。小中学生が石橋文化センター・美術館を見学する際の事前学習用教材としてもご活用ください。
展示室では様々な資料で石橋正二郎のあゆみを振り返ることができます。
年譜コーナー
ブリヂストンをはじめとする企業経営者としての足跡と、文化振興を中心とする数々の事績を年譜で紹介します。
壁面展示コーナー
石橋正二郎の事績を〈事業・文化・美術〉という3つの視点から紹介します。
マルチメディアコーナー
石橋美術館60年間の展覧会図録や石橋文化センターの歩みなどの、さまざまな記録を、映像・音声などによるマルチメディア資料として公開します。
映像視聴コーナー
正二郎の生涯や事業、美術活動を映像で紹介します。
石橋財団コレクション絵画展示
石橋財団コレクションの中から、選りすぐりの作品を定期的に展示替えして紹介します。
作者名 | 作品名 | 制作年 | 技法・材質 | 所蔵 |
---|---|---|---|---|
坂本繁二郎 |
刈入れ |
1898年頃 |
水彩・絹 |
寄託作品 |
早川銈太郎 |
戦場の図 |
油彩・カンヴァス |
石橋財団アーティゾン美術館 |
|
青木繁 |
月下滞船図 |
1908年 |
油彩・カンヴァス |
石橋財団アーティゾン美術館 |
片多徳郎 |
芙蓉 |
1924年 |
油彩・カンヴァス |
石橋財団アーティゾン美術館 |
高島野十郎 |
筑紫観世音寺 |
1952年 |
油彩・カンヴァス |
石橋財団アーティゾン美術館 |
開館時間/休館日
入館料
金額 | |
---|---|
|
300円※ |
高校生以下 | 無料 |
*久留米市美術館(本館)入館券を提示の場合、無料で入館できます。
*身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳又は療育手帳等の交付を受けている方とその介護者1名は、無料。
アクセス
〒839-0862 福岡県久留米市野中町1015
※おおよその時間で記しています。